「2001年宇宙の旅」。どこへ出しても恥ずかしくない、堂々たるファットボディですね。でも昔はこの作品もカルトムービーだったのです。
公開当時、わたしはまだ八歳でした。当然、その時には観ていません。はじめてみたのは1978年のリバイバル上映のとき。テアトル東京のシネラマスクリーンで、一番前の席に座って観ました。
冒頭の有名なタイトルバックのシーンでは、自分の座っている映画館全体が回転したような錯覚を覚え、あっけにとられました。後にも先にも、映画を見てあんな経験をした事はありません。
78年に再上映されるまで、この映画は観たくても観られない幻のSF映画だったんです。当時、倒産していたMGMが配給権を持っていて、その権利関係が複雑で上映できなかったようです。ビデオもDVDも無い時代です。TV放映なども望めません。
再上映の二三年前から、(見た人はほとんどいなかった筈なのに)なぜか急激にこの映画の評価が高まりました。映画雑誌「ぴあ」の歴代ベストテンで一位を連続していたのもこの頃です。なんとか「ぴあ」が、フィルムを見つけて自首上映しようとしたのですが、叶わず、上映できたのはスチル写真のスライドのみでした。それほど、この映画は幻だったのです。
中学時代の恩師が、授業中、何かの拍子にこの映画の話をしてくれた事がありました。リバイバル上映されるよりも五年ほど前のこと、まだこの作品が無名の時代のことです。わたしは映画雑誌からの知識で、一応名前だけは知っていましたので、興味津々で話を聞きました。しかし、先生の言った事というのは、「とにかくスゲーんだ」「シネラマがスゲーんだ」とかばかりで、さっぱり要領を得ません。しかたなく、授業の後で個人的に話を聞きに言ったところ。「とにかくスゲーんだ。宇宙飛行士が、最後に赤ちゃんになっちゃうんだ」
??? 先生たるものが、こんな説明で良いんでしょうか。まるっきり意味が分かりませんでした。
そんな事もあって、この映画に対する興味はつのり、再上映が決まったときは天にも上る気分でした。
数年前、この映画のDVDを買って数十年ぶりに観ました。この作品は、あまりに有名なので、映像がすみからすみまで頭に嫉きついていると思っていたのですが、驚いた事に忘れていたシーンばかり。始めてみたときよりも新鮮に観る事ができました。感動したのは、映像の斬新なところ。今観ても、旧いどころか、こんな映像観た事無いと思わせる、素晴らしい映像の数々です。やはり、本物の名画、本物の芸術作品なのでしょうね。
ロングテール度:★ お奨め度:★★★★★
一生に一度は観なくてはなりません。
 
テーマ:特撮・SF・ファンタジー映画 - ジャンル:映画
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