今回は少し毛色が変わったところで、赤瀬川源平の「新解さんの謎」。
新解さんとは、三省堂「新明解国語辞典」のこと。この辞典の摩訶不思議な世界に踏み込んで爆笑必至です。わたしはうっかり通勤電車の中で読んでひどい眼にあいました。笑いをこらえるのに必死で、顔は真っ赤、肩はぶるぶる、涙ぼろぼろです。この本を開くのは、周りに人が居ない事を確認してからにしましょう。
ロングテール度:★★ お奨め度:★★★★
SM嬢と著書のやりとりも面白いが、なによりも「自己主張のある」「攻めの」辞書、「新明解国語辞典」の深遠さに感動を覚えます。「世の中を醒めた眼でみる」「数字にこだわる」「歪んだ女性観をもつ」新解さん。少しひもといてみましょう。
【恋愛】 特定の異性に特別な感情をいだいて、二人だけで一緒にいたい、出来るなら合体したいという気持ちを持ちながら、それが、常にはかなえられないで、ひどく心を苦しめる・(まれにかなえられて歓喜する)状態。
そーだなあ、恋愛。うーん、ちょっとみもふたもない感じもするが。だいたい辞書のクセにここまで言い切らなきゃいかんのか?
【世の中】 同時代に属する広域を、複雑な人間模様が織り成すものととらえた語。愛し合う人と憎み合う人、成功者と失意・不遇の人とが構造上同居し、常に矛盾に満ちながら、一方には持ちつ持たれつの関係にある世間。
世の中という語にここまでの意味をこめられる新解さんは凄い。
【動物園】 生態を公衆に見せ、かたわら保護を加えるためと称し、捕えて来た多くの鳥獣・魚虫などに対し、狭い空間での生活を余儀なくし、飼い殺しにする、人間中心の施設。
なにか動物園にいやな思い出でもあるんでしょうか。心配になります。
【国賊】 体制に対する叛乱を企てたり国家の大方針と反対したりする、いけない奴。
いけない奴!動物園にはきびしい新開さんも、なぜか国賊には優しい。
 
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