プロフィール

ロングテーラー

Author:ロングテーラー
職業:会社員
家族:妻、子供(二人)
趣味:映画、小説、裁判

最近の記事

最近のコメント

スポンサードリンク

最近のトラックバック

月別アーカイブ

カテゴリー

ブログ内検索

RSSフィード

リンク

このブログをリンクに追加する

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

FC2カウンター

アクセスカウンター

FC2カウンター

オンラインカウンター

現在の閲覧者数:

フリーエリア



MoMAオンラインストアジャパン

ロングテール研究所
誰も知らないお奨め映画『ロングテールムービー』を発掘する【ロングテール研究所】
             
ロングテール研究所では、採り上げる作品を以下の様にロングテール度とお奨め度の二つの指標で紹介しています。お奨めでない作品は、基本的に取り上げないつもりです。

ロングテール度:★(誰もが知っている)、★★(殆どの人が聞いたことがある)、★★★(聞いた事があるような・・・)、★★★★(知っている人はめったにいない)、★★★★★(誰も知らない)  ・・・サンプルはこちら

お奨め度:★(もしご興味があれば)、★★(お奨め、でも人によっては・・・?)、★★★(観る価値あります)、★★★★(機会があれば是非!)、★★★★★(探してでも観て!)


スポンサーサイト
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

「犯人に告ぐ」 優秀なミステリー映画
WOWOW製作の映画、「犯人に告ぐ」。雫井修介原作の同名小説の映画化です。原作は、ミステリー界では高い評価を受け、ベストセラーにもなりました。「劇場型捜査」という仕掛けが当たり、読み始めたら止められない超面白本です。

ミステリー小説ファンの私としては、ミステリーを原作とした映画には、なるべく脚色を殺して、原作の香いをそのまま映像化した作品を求めます。たとえばロマン・ポランスキーの「ローズマリーの赤ちゃん」のような映画です。映画作家の作家色が前に出ている作品は嫌いで、ときに怒りを覚える事すらあります。よくありますよね、材料をいじくり過ぎて台無しにしてしまったフランス料理のような映画。

最近では、横山秀夫さんの短編を脚色した一連のテレビの二時間ドラマが優秀で、非常に娯しんで観る事ができました。そのへんのベストセラーミステリーの映画化作品などより遥かに傑れていると思います。今回の「犯人に告ぐ」は、横山作品原作ドラマに通じるものがあり、かなり満足度が高かった作品です。

ロングテール度:★★★
お奨め度:★★★★

「犯人に告ぐ」の面白さは、そのかなりの部分を原作小説に負っています。こういった、素材の良さをそのまま引き出したような映画化作品は、映画化成功作として素直に評価すべきだと思います。

横山秀夫登場以来、日本の警察小説は大きな進化を遂げました。それまでの、単に警察官を主人公としたミステリーから、警察機構そのものをテーマとした面白い小説へと変貌したのです。新しい警察小説は、警察組織を心理戦の戦場と見立てた心理ドラマです。今回の「犯人に告ぐ」も、その一翼をになう作品なのですが、「劇場型捜査」という大きなギミックがあるため、非常に分かりやすく、一般受けもすると思います。

主人公の巻島を演じた豊川悦司さんも、原作のイメージに近く、小説ではヤングマンとよばれて周囲からからかわれた刑事をうまく演じています。

原作、映画、どちらもお奨めできます。




にほんブログ村 映画ブログへ人気ブログランキングバナー(小)


スポンサーサイト

テーマ:ミステリ - ジャンル:小説・文学

「2001年宇宙の旅」 この作品も昔はカルトだった
「2001年宇宙の旅」。どこへ出しても恥ずかしくない、堂々たるファットボディですね。でも昔はこの作品もカルトムービーだったのです。



公開当時、わたしはまだ八歳でした。当然、その時には観ていません。はじめてみたのは1978年のリバイバル上映のとき。テアトル東京のシネラマスクリーンで、一番前の席に座って観ました。

冒頭の有名なタイトルバックのシーンでは、自分の座っている映画館全体が回転したような錯覚を覚え、あっけにとられました。後にも先にも、映画を見てあんな経験をした事はありません。

78年に再上映されるまで、この映画は観たくても観られない幻のSF映画だったんです。当時、倒産していたMGMが配給権を持っていて、その権利関係が複雑で上映できなかったようです。ビデオもDVDも無い時代です。TV放映なども望めません。

再上映の二三年前から、(見た人はほとんどいなかった筈なのに)なぜか急激にこの映画の評価が高まりました。映画雑誌「ぴあ」の歴代ベストテンで一位を連続していたのもこの頃です。なんとか「ぴあ」が、フィルムを見つけて自首上映しようとしたのですが、叶わず、上映できたのはスチル写真のスライドのみでした。それほど、この映画は幻だったのです。

中学時代の恩師が、授業中、何かの拍子にこの映画の話をしてくれた事がありました。リバイバル上映されるよりも五年ほど前のこと、まだこの作品が無名の時代のことです。わたしは映画雑誌からの知識で、一応名前だけは知っていましたので、興味津々で話を聞きました。しかし、先生の言った事というのは、「とにかくスゲーんだ」「シネラマがスゲーんだ」とかばかりで、さっぱり要領を得ません。しかたなく、授業の後で個人的に話を聞きに言ったところ。「とにかくスゲーんだ。宇宙飛行士が、最後に赤ちゃんになっちゃうんだ」

??? 先生たるものが、こんな説明で良いんでしょうか。まるっきり意味が分かりませんでした。

そんな事もあって、この映画に対する興味はつのり、再上映が決まったときは天にも上る気分でした。

数年前、この映画のDVDを買って数十年ぶりに観ました。この作品は、あまりに有名なので、映像がすみからすみまで頭に嫉きついていると思っていたのですが、驚いた事に忘れていたシーンばかり。始めてみたときよりも新鮮に観る事ができました。感動したのは、映像の斬新なところ。今観ても、旧いどころか、こんな映像観た事無いと思わせる、素晴らしい映像の数々です。やはり、本物の名画、本物の芸術作品なのでしょうね。

ロングテール度:★
お奨め度:★★★★★

一生に一度は観なくてはなりません。


にほんブログ村 映画ブログへ人気ブログランキングバナー(小)


テーマ:特撮・SF・ファンタジー映画 - ジャンル:映画

「ゲーム」 傑作?それとも、おバカ映画?
デビッド・フィンチャー監督の1997年の作品。「ゲーム」です。「セブン」の次の作品にあたります。

ロングテール度:★★★★
お奨め度:★★★

大金持ち役のマイケル・ダグラスが、ふとしたことから「CRS」社の参加型ゲームに申しこみ、その後、悪夢のような体験をするという物語。恐怖とサスペンスに溢れながらも、どこか現実離れしたファンタジーの匂いが漂っています。もちろん、こんな話はありえないのでファンタジーなのでしょうが、それにしてはリアリティもあるように演出されていて、観るものはどういう態度で接したらいいのか分からず、居心地の悪い思いをします。

デビッド・フィンチャーといえば、「エイリアン3」では現場をまったくコントロールできておらず、眼も当てられないような出来。開巻5分で、こりゃ駄目だという気になりました。ところが次の「セブン」で、別人のように生まれ変わり、映画も大ヒットしました。フィンチャーが次に作ったのが、この「ゲーム」です。さあ困った。この「ゲーム」が、また「なんじゃこりゃ」という作品なのです。

この作品は、「セブン」の次回作に期待した多くの人を混乱させました。この奇妙な作品を、どう評価したらいいのか分からないのです。大傑作? トホホな映画? おバカ映画?
見る人によって評価はまったく違うでしょう。

わたしも初めて観たときは混乱しました。で、肝腎のわたしの評価ですが、大傑作としておきましょう!ただし、ラスト5分前までなら。 最後まで見てしまったら、???…おバカ映画。

ラスト5分前の急展開。絶望にかられたマイケル・ダグラスの叫びは、「セブン」をも陵ぐかと思われ、観てるこちらも身を切られるようです。思わず「素晴らしい!傑作だ」と拳を握りしめました。…それが、最後の最後になって、な、なぜ?どして?という信じられない展開に。これって、シベリア超特急?

ということで、わたしはこの映画については、勝手に頭の中でラストの5分をカットしています。あれさえ無ければ、すごく面白いダーク・ファンタジーです。パラノイアで悪夢のような世界を堪能することができます。

◆変な作品だけあって、アマゾンでも発見できませんでした。映画史の闇に埋もれてしまったのかもしれません。

にほんブログ村 映画ブログへ人気ブログランキングバナー(小)

テーマ:ミステリ - ジャンル:小説・文学

「流れ者」 洒脱なフランス風ギャング映画
フランス映画が続きます。今回は、クロード・ルルーシュ監督の「流れ者」です。ロングテール研究所としては、「男と女」でも「パリのめぐり逢い」でもなく、この映画を選びます。

ロングテール度:★★★★★
お奨め度:★★★

ちょっと説明するのが難しい映画です。クロード・ルルーシュが、遊び心たっぷりに作った、洒脱なギャング映画。語り口が非常に凝っていて、観初めてしばらくは意味が分かりません。映画の中で、時間が縦横無尽に前後し、後になってから、ああそう云うことだったのかと思うシーンがいっぱいです。最近の映画で言うと「パルプ・フィクション」を観たときの感じに近いです。

ちょっと唖然とするような、変わったタイトルバックの映像からして、映画の後半になって、ああそう云う事なのかって思います。

なかなか無いです、こう云う映画。非常に凝っているので、好きな人にはとても楽しめる作品だと思いますよ。

わたしが観たのは二十年以上前なのですが、テレビで二度くらいと五反田の名画座で一回観ました。それでも、物語が複雑なので、正直ストーリーはよく思い出せません。ですが、この映画の全編に流れる、軽いカクテルのような空気と、語り口に翻弄された記憶と、フランシス・レイの音楽はよく覚えています。

やはりアマゾンでもDVDは見つかりませんでした。代わりに、この有名な作品を載せておきます。こちらも大好きな映画で、お奨めです。映像の美しさにはため息が出ます。



にほんブログ村 映画ブログへ人気ブログランキングバナー(小)

テーマ:ヨーロッパ映画 - ジャンル:映画

「狼は天使の匂い」 ファンタジックなフィルムノワール
1974年のルネ・クレマン作品です。名匠ルネ・クレマンは、「禁じられた遊び」「太陽がいっぱい」をはじめとして名作がいっぱいありますが、ロングテール研究所が取り上げるのは「狼は天使の匂い」です。

ロングテール度:★★★★★
お奨め度:★★★

アマゾンでDVDを探してみましたが、見つかりませんでした。残念ながら、いま観るのは難しいかもしれません。

ジプシーに追われるジャン・ルイ・トランティニャンが、ロバート・ライアンひきいるギャング団に加わるというお話は、いちおうフィルム・ノワールなんでしょうが、どことなくファンタジーの味わいが入っていて、独特の世界を作り上げています。いちおうギャング団で、かなりひどい犯罪をやっているのですが、なんとなく子供が遊んでいるような雰囲気が常につきまとっています。特に、ラストのビー球を賭けて、ジャン・ルイ・トランティニャンとロバート・ライアンが射撃をするところなど、子供のファンタジーの世界そのものです。ジプシーに追われているという設定もどこか幻想的です。

原りょうさんのハードボイルド小説「そして夜は甦る」に、探偵沢崎が尾行者を追って高田馬場の早稲田松竹に入るシーンが出てきます。その時スクリーンに掛かっていたのが、「狼は天使の匂い」でした。フランシス・レイの口笛の音楽に合わせて、消防車の梯子がスルスルと夜を切り裂いて伸びて行く印象的なシーンが出てきます。もちろん、ビー球を賭けて射撃をするラストシーンも描かれています。

映画館の中で三人に捕まり脅迫された沢崎が、「一つだけ訊きたいことがあるんだが---」と云い、「あの俳優は、ロバート・ライアンだった?」と呆ける台詞もいいです。

「早稲田松竹」といい、「狼は天使の匂い」といい、原さんのセンスの良さが際立ちます。



今回はDVDが無いので、原作小説と原さんの名作「そして夜は甦る」です。

にほんブログ村 映画ブログへ人気ブログランキングバナー(小)


テーマ:ヨーロッパ映画 - ジャンル:映画

「冒険者たち」 もっとも愛されたフランス映画
わたしは青春映画というと、まず「冒険者たち」を連想します。昔はそういう人が多かった。ちまたには「冒険者たち」が大好きと言う人がごろごろいました。最近はあまり聞かないように思うのですが、今はどうなんでしょう。

ロングテール度:★★★
お奨め度:★★★★★

アラン・ドロン、リノ・バンチュラ、そしてジョアンナ・シムカスのレティシア。フランソア・ドルーペの音楽と共に、彼ら三人の姿は、永遠に胸の中で生きています。

アフリカ沖の海の蒼さと、その中にゆっくりと沈んでいくレティシアの姿は忘れられません。飛行機、レース、芸術と、それぞれの冒険を追いかけた三人は、非常に透明で清潔感に溢れています。ぎらぎらした所の全く感じられない、ある種理想化された青春像なのでしょう。

友情と愛情の中間あたりで、微妙な均衡をもってしまった彼ら三人の独特の関係は、映画史上でも他にないんじゃないでしょうか?なんとも説明しがたい、透明な空気が常に三人を取巻いています。

夢破れた三人はアフリカ沖で財宝探しを目指しますが、この付近から悲劇の予感が漂いはじめます。

原作は、ジョゼ・ジョバンニの「生き残った者の掟」。読んだ事はないのですが、大分雰囲気がちがうのでは、と想像します。

後半、次々に悲劇が襲い掛かります。何よりも貴重だった三人の関係は、儚くも消え去り、残されたものの嘆きは、そのまま青春へのレクイエムとなります。



にほんブログ村 映画ブログへ人気ブログランキングバナー(小)


テーマ:ヨーロッパ映画 - ジャンル:映画

「シェルブールの雨傘」 フランス製ミュージカル
ジャック・ドゥミ監督+ミシェル・ルグラン作曲+カトリーヌ・ドヌーブ主演。カンヌグランプリ受賞のフランス製ミュージカル映画。大ヒット作です。わたしが若い頃だったら、知らぬ人のない堂々たるファットボディ映画でした。カトリーヌ・ドヌーブもフランスを代表する大女優でした。でも今は、この映画を知っている人はだんだん少なくなったんじゃないでしょうか。

ロングテール度:★★★
お奨め度:★★★★★

生の台詞がいっさいなく、全ての台詞を歌で表現したミュージカル映画です。フランス人がミュージカルを作るとこうも違うものなのかとびっくりします。(むろんアメリカと比べて)

最近、分析とか言って、わりと左脳を使う映画について続けて書きましたので、この辺で思いっきり右脳を刺激、つまり情緒にうったえる映画を取り上げてみました。

開巻からラストまで、美しい音楽と美しい映像、そしてカトリーヌ・ドヌーブの美しさを堪能できます。そして何より、切ないまでのラブストーリー。今でも、あの音楽を聴くと、ギイとジュヌビエーブの切ない初恋の物語を思い出し、胸が絞めつけられるような気持ちになります。

物語自体は、わりと何処にでもある、どこかで聞いた様な悲恋物語です。しかし、それがあの音楽と、色彩と、カトリーヌ・ドヌーブとが合わさると、なぜか心が苦しくて観ていられないほどの美しいラブストーリーへと変容してしまうのです。

切ないと言う言葉がこれほどぴったりとくる映画を、他に知りません。



にほんブログ村 映画ブログへ人気ブログランキングバナー(小)



テーマ:ヨーロッパ映画 - ジャンル:映画

「疑惑の影」 ヒッチコックによるホームドラマ
映画ファンにとってヒッチコックと言うのは、一度は通り抜けなければならない通過儀礼のようなものではないでしょうか。わたしも、一時、夢中になってヒッチコック作品を追いかけていた時期がありましたが、現在ではほとんど見ていません。思えば、わたしの世代というのは、リアルタイムにヒッチコックを観ていた最後の世代ではないでしょうか。



「疑惑の影」はヒッチコックの代表作の一本ではありますが、「サイコ」「鳥」「北北西に進路を取れ」などに比べると、知名度は一段落ちます。この映画、その企画からして、いかにもひねくれもののヒッチコックらしい作品と言えるでしょう。ヒッチコックがシチュエーションコメディを作ったらどうなるか、というのがこの作品です。

舞台の設定は、旧きよきアメリカ人の大好きなシチュエーションコメディ(TVのホームドラマ)と同じです。アメリカの小都市の中流家庭。優しいお父さんに、ちょっと世間知らずでしっかりもののお母さん。美人で快活なお姉さんに、こまっしゃくれた弟。さらに変わり者の隣人たち。このいかにものアメリカンファミリーの中に、連続殺人鬼である叔父を放り込んだらどうなるか、というのがこの映画です。

ロングテール度:★★★
お奨め度:★★★★

この映画、ヒッチコックらしい緻密で、分析のしがいのある作りになっています。映画評論家の双葉十三郎さんが、著書「映画の学校」の中で、カットごとに細かくこの映画を分析した見事な評論を書いています。

そして、そんな堅苦しい事は無視して観ても、たいへん娯しめる娯楽作となっていますので、安心して観る事ができます。殺人サスペンスとホームコメディが一緒になると、どんな映画になるのでしょう?

その答えは、表面はコメディ。でもその一層下はサスペンスというものです。叔父さんが殺人鬼であることは美人のお姉さんしか知りません。そしてお姉さんは、ある事情によりその事を誰にも告げることが出来ないのです。表面はコメディに装いつつも、殺人鬼から平和な一家を守ろうと、お姉さんの孤軍奮闘の闘いが始まります。

ね、面白そうでしょ?

テーマ:名作映画 - ジャンル:映画

ジブリ美術館と立体ゾーエトロープのこと
井の頭公園にある「三鷹の森ジブリ美術館」は、大変有名なので、行った事はなくとも名前ぐらいは聞いたことのある人がほとんどだと思います。わたしも一度だけ子供を連れて行ったのですが、規模はそれほど大きくなくとも、その密度の濃い内容に大変満足しました。

ここは、とくにジブリのファンでなくとも、映画に関心のあるひとでしたら十分に楽しめる内容になっています。

展示の内容は、凝ったものが多く、ひとつずつ丁寧に見て行くと時間が足りません。わたしが感心したのは、ジブリアニメの背景に使ったセル画(と言うんでしょうか?)の展示です。トトロに出てきた風景とか、魔女の宅急便の街とか、見事と言うほかない本当に美しい絵が沢山展示してありました。色と言い、細かさと言い、表現と言い、素晴らしい!思わず欲しくなってしまいました。ああいうのは、芸術と言うより職人技なんでしょうね。

あと、美術館の中に小さな(そしてとても凝った)映画館があり、実験アニメを映写していましたが、これが素晴らしかった。わたしが観たのは、15分ほどの「やどさがし」という短編です。この映画は、背景音が一切無く、代わりに人の声で背景の音を表現しているのです。声優はタモリさんらしいのですが、「ぞわわわわわ~」とか「しゅううううう~」などと、ノリノリで音を当てていました。内容も実験映画とするには惜しい、一級のエンターテインメントです。

そして何より見逃してならないのが「立体ゾーエトロープ」。「フリッカー、あるいは映画の魔」でも少しだけ触れましたが、映画の前身であるゾーエトロープ。ふつうは絵で作るものなのですが、ジブリ美術館にはこれを立体模型で作ったものがあるのです。たくさんの(少しだけ違った)立体模型を回転盤の上に列べ、回転が始まると共に周りの電気が消えて、フラッシュの点滅が始まるという非常に凝ったものです。これが回転を始めると、いままで目の前にあった模型が、まさに命が吹き込まれたように生き生きと動きはじめるのです。目の前でトトロが動き出し、女の子がなわとびをはじめる様子には、誰もが息を呑みます。

テーマ:雑記 - ジャンル:日記

「映画の構造分析」 映画から現代思想を学ぶ?
映画というものには、色々な娯しみ方があります。たとえば、年間のベスト10を選ぶとか。アカデミー賞の予想とか。わたしがこのブログでやっているような、映画をお奨めして娯しむなんていうのも一つの方法でしょう。

このように、映画それ自体を観て娯しむ他に、既に観た映画を材料にして新たに楽しみが拡がっていくというのも映画の特徴のひとつでしょう。観て娯しむ事が映画の一時利用だとしたら、それを材料にさらに娯しみを拡げることは、映画の二次利用と言えるかもしれません。

さてその様な映画の二次利用の中に、「批評」というものがあります。映画評論家のように、それを職業にしてしまった人もいます。さてこの映画批評ですが、単なるお奨めと批評は、やはり似て非なるもので、批評と言うからにはもう少し襟を正して接しなければならないといった、ある種の威厳が感じられるように思われます。

しかし、そういった堅苦しい解釈はひとまず捨てて、ここでは「批評」と言うものを、映画の二次利用、すなわち材料としての映画を使って、さらに面白い著作物を作り上げるエンターテインメント(と言うか芸ですね!)として捉えたいと思います。プロの作った「批評」を娯しむというのもよし。過去に観た映画を材料に、自分だけの「批評」を作り上げるといった娯しみ方もありでしょう。

むろん、あの小難しい「批評」を娯しもうと言うのですから、受身では駄目です。観て楽しめればいいという一観客の立場を一歩踏み出す覚悟が必要になります。芸のありなしも問われます。

このような、映画批評を娯しんでしまおうという時のガイドブックになるのが、今回ご紹介する「映画の構造分析」(内田 樹)という本です。



ロングテール度:★★★
お奨め度:★★★

右手にヒッチコック、左手にラカンと書かれているように、現代思想の面から映画を捉えた本です。著者は、映画を通して現代思想を学べるように心掛けたと言っています。また学術的厳密性とユーザーフレンドリーの調和を重視した。志は高く、腰は低く、とも言っています。

この本に出てくる、「エイリアン」の構造分析などは、まさに著者の芸が感じられて大変面白い。これを読むと、つい真似してみたくなります。「エイリアン」を観ているときは、怒涛のストーリー展開に圧倒されて、ついついどこかに押しやられていたのですが、著者に指摘されると、「そういえばあの映画、変なところあったよなあ」「観ているときに、一瞬変だって確かに思ったのに、無理やりな展開に押されて忘れていたよなあ」と思わずにはいられません。

この本は、そういったあれやこれやを快刀乱麻を断つのごとく、まるで推理小説のように見事に分析するカタルシスに溢れています。

まあ、中にはちょっとやり過ぎかなと思うような部分もありますが、映画にはこう云った娯しみ方もあるという事を教えてくれる本です。

今回この本を紹介することにより、映画自体が娯しみなのだから、映画批評だって娯しめないわけがないと言ってみたかったのです。

「黒い家」 日本ホラー小説の金字塔
前回に続いて小説をご紹介しましょう。今日のおすすめ本は、貴志祐介さんの「黒い家」です。ロングテールどころではない、ベストセラーにもなった有名な小説です。堂々たるファットボディです。



ロングテール度:★
お奨め度:★★★★★

非常に怖い小説です。しかもオカルトではなく、人間の怖さ一本で押し切る力作です。登場する悪役の造形が際立っていて、その人物の描写によって恐怖感を盛り上げています。反社会性人格障害(いわゆるサイコパス)というものを有名にした小説でもあります。

貴志祐介さんの小説はどれをとっても面白く、新作が待ち遠しい作家のひとりなのですが、なんとこの小説がデビュー作。初めての小説が、これだけのパワーと完成度を持っているのだから、天才と言うほかありません。文章は丁寧で分かりやすく、科学知識をはじめとして様々な知識を分かりやすく小説に取り込むところも特徴です。「黒い家」では、心理学の知識が小説の中心になっていますが、見逃せないのは主人公の勤める生命保険会社に関する様々なエピソードです。小説の前半では、こういった小技がうまく効いていて、読者が気がつくとホラーの真ん中に立っていることに気づかされます。

この小説が出たのは、まだわたしが独身一人暮らしのときでした。オンライン書店のセブンアンドワイなら、忙しい一人暮らしでもインターネットで注文して、近くのセブンイレブンで二十四時間受け取るという事が可能です。

セブンアンドワイトップページ

そう云えば「黒い家」の中の一番怖いシーンは、一人暮らしの若槻が夜中にふとコンビニに買い物に行ったため、命びろいするところでした。

*リンクシェアのレビューアフィリエイト参加しております。
リンクシェア レビュー アフィリエイト


テーマ:ミステリ - ジャンル:小説・文学

「フリッカー、あるいは映画の魔」 映画の中には魔物がいる
今回は小説のお奨めです。このブログで初めてお奨めするにふさわしい小説は、と考えました。

「フリッカー、あるいは映画の魔」 セオドア・ローザック

1998年の海外ミステリーベスト1に選ばれた作品なので、ロングテールとは言えないでしょう。しかし、最近ではあまり書店で見かけなくなっています。

この小説、映画ファンのために神様が贈り物をくれたような作品です。映画ファンであれば、あまりの面白さに、くらくらと目眩いがすることでしょう。上でミステリーのベスト1と書きましたが、分類的にはダークファンタジーに入ると思います。

映画という魔物に取り付かれた主人公ジョナサン。かれはマックス・キャッスルという、映画史の中に埋もれてしまった幻の監督に魅かれ、その作品を追いかけるようになるが、いつしか自分も映画の闇の中に呑みこまれていく・・・。

暗闇の中で映写機のスイッチを入れたとき、ハロゲンランプの光る「ビコッ」という音。ハロゲンランプがセルロイドフィルムを焦がす臭い。スプロケットの爪がパーフォレーションを引っかく音。リールに巻き取られるフィルムの中で、上下逆さまになって踊り続ける女優たち。それらを知っている者には、こたえられない読書体験となるはずです。そうです、確かにあの闇の中には魔物が棲んでいました。

キネマトグラフィー、ゾーエトロープときて、さらに映写機のスプロケットの中から「マルタ十字歯車」が出てくるところ。そして読者は、マルタ十字架からテンプル騎士団、ヨハネ騎士団へと続くヨーロッパの闇の歴史の中に、いつしか誘い込まれてしまいます。

ジョナサンが、マックス・キャッスルの幻のフィルム「闇の奥」(むろん原作はジョセフ・コンラッド)を観る場面の素晴らしさ、恐ろしさ。全てが美しい悪夢のような小説です。

一生のうちに、何度あるかわからないほどの読書体験。映画好きであるなら、この小説を読まずに死ぬのは、あまりにもったいないです。

ロングテール度:★★★
お奨め度:★★★★★



人気ブログランキング
にほんブログ村 映画ブログへ
人気ブログランキングバナー(小)


テーマ:ミステリ - ジャンル:小説・文学

非英語圏欧州映画のこと
とてもセンスのいいブログを見つけましたのでご紹介したいと思います。

cinecittaさんの非英語圏欧州映画はいかがです。

30年代から90年代までのヨーロッパ映画が紹介されていますが、中心は50年代から70年代のようです。私などは、ここに並んでいるタイトル一覧を観るだけでうれしくなってしまいます。

今ではヨーロッパ映画というと、ちょっと気取った感じがしますが、私が若かったころ(1978年以前)、非英語圏欧州映画というのは、もっと身近な存在でした。普通に公開される外国映画は、アメリカ映画、フランス映画、イタリア映画が同じくらいの割合。少し下がってイギリス映画という感じ。近年のように、外国映画と言えばすなわちハリウッド作品といった傾向はまったくありませんでした。思えば、あの時代と言うのは、ハリウッドが最も元気の無かった時代だったのかもしれません。

フランス映画やイタリア映画も、お洒落で高級なものではなく、お馬鹿で下品な作品も沢山公開されていました。今回ご紹介したブログは、その頃の雰囲気が全編に漂っていて、とても懐かしい気持ちにさせられました。

「赤と青のブルース」などは音楽も聴くことができますよ。

「愛すれど哀しく」!なつかしいなあ、オッタビア・ピッコロ。何十年も前にテレビで一度観ただけなのですが、今でもあの音楽を覚えています。

人気ブログランキング
にほんブログ村 映画ブログへ
人気ブログランキングバナー(小)

テーマ:ヨーロッパ映画 - ジャンル:映画

「眼には眼を」 トラウマ注意!!!
1958年公開。アンドレ・カイヤット監督、クルト・ユルゲンス主演の「眼には眼を」です。DVDは出ていません。レンタルビデオなどでも、おそらく見つけるのは困難な作品だと思います。

ロングテール度:★★★★★
お奨め度:★★★★

観た事のある人は少ないと思いますが、その多くにとって現在もトラウマとなっている作品。映画史上最強の恐怖映画と呼ぶ人もいます。

と言ってもオカルトではなく、人の心の恐ろしさをテーマにした作品です。アラブ人の復讐心の恐ろしさに蒼然としてしまいます。

クルト・ユルゲンスは、シリアで開業するフランス人医師。ふとした事からアラブ人の男(フォルコ・ルリ)の逆恨みを買います。その後、アラブ人は医師に付きまとうようになり、映画の後半は広大な砂漠の中に、医師とアラブ人の二人だけという極限的な設定になります。

復讐心をもったアラブ人と二人っきりで、砂漠を横断してダマスカスに辿り着かねばならないという恐ろしさ。本当に恐ろしいのは灼熱の砂漠か、アラブ人の執念か。

力作という言葉がありますが、この作品はそんなものじゃない。ちょっとやそっとの覚悟で観ると、途中でこちらが押しつぶされてしまいます。砂漠を横断するふたりより先に、見ている方が倒れてしまいます。体長の悪いときに観ると、まちがいなく病気になるでしょう。

そして、多くの人のトラウマとなっている、一生忘れられないラストシーン。

埋もれさせるには、あまりに惜しい作品です。テレビで放映されるのを、地道にチェックするくらいしか観るチャンスはなさそうです。DVDを出してくれる事を望みます。

アマゾンに中古のビデオが一点だけ残っているようです。「眼には眼を - 字幕版」となっています。監督、主演が合っている事からこの映画であることは確かなようですが、どんなビデオなのかは不明です。



人気ブログランキング
にほんブログ村 映画ブログへ
人気ブログランキングバナー(小)

テーマ:ヨーロッパ映画 - ジャンル:映画

「泳ぐひと」 イチ押しのロングテール・ムービー
今まで出し渋っていたのですが、いよいよ本命を出します。実はこのブログを立ち上げようと思い立ったとき、頭にあったのがこの映画なのです。フランク・ベリー監督、バート・ランカスター主演。「泳ぐひと」

ロングテール度:★★★★★
お奨め度:★★★★★

映画ファンでも、あまり観た事のある人はいないんじゃないでしょうか。名前だけは聞いたことあると言う人もいるかもしれません。それ程、地味で忘れ去られた作品です。だからと言って、面白くないかというとそんな事はありません。

私も昔から「泳ぐひと」という映画があることは知っていたのですが、観る機会もなかったし、見ようとも思いませんでした。肝心の物語ですが、バート・ランカスター扮するネッドが、朝日をあびて森の中からいきなり現われます。なぜか海水パンツ一丁です。そこはネッドの友人の邸宅の広い庭のようです。上流階級です。夜通しのパーティーが終わったところらしく、ネッドの友人たちは次々に帰って行き、ネッド一人が取り残されます。どうやらネッドは、パーティーの帰り際をわきまえない男のようです。そこで、ネッドはふと思いつきます。この屋敷から自分の家までを、友人の屋敷づたいに帰ることにしよう。そして全ての屋敷のプールで泳ぐ事にしようと・・・・・・。

この物語どう思います?もう引いてしまったでしょうか?

私は引きました。なんじゃこの話は、と思いました。意味分からん。何で友人の家づたいに帰らなきゃならないのか?(そもそもそんな事ありえるのか?)なんでいちいちプールで泳がなきゃならんのか?いったいそれの何が面白いのか?
[READ MORE...]

テーマ:名作映画 - ジャンル:映画

怪獣映画について
このブログ、初めてのコメントをガメラ医師さまからいただきました。どうもありがとうございました。

今回はいつもと趣向を変えて、怪獣映画に関する想い出などを綴ってみようかと思います。

わたしが子供の頃---というと今から四十年ほど前なのですが、うちでは映画など見せてもらえませんでした。祖母がきびしい人で、映画など不良の観る物だ(^^; という事でご法度だったのです。ウルトラマンや怪獣が大好きだった私は、映画館の前にゴジラのポスターを見つけると、見たいなあと思いながらも、自分には縁のない世界なのだと自分を納得させていました。

しかし、一年に一回だけ、その望みがかなえられる日があることにやがて気づくのです。それは12月31日、大晦日の日。この日の夕方四時ごろ、あれほど観たかった怪獣映画をテレビで放映していたのでした。「モスラ」や「南海の大決闘」など、年によって放映作品は違うのですが、必ず大晦日の夕方に怪獣映画が観られたのです。

毎年、大晦日になると、わたしは昼間のうちに一生懸命大掃除の手伝いをし、お飾り作りを手伝って、そのご褒美に夕方のテレビ放送を見せてもらうのが嬉しくてしょうがなかった。観ているうちに、母と祖母がつくるお節の匂いが漂ってきます。そして映画が終わる頃、その年最後の夕食が整い、家族で食卓を囲むのです。

人気ブログランキング
にほんブログ村 映画ブログへ
人気ブログランキングバナー(小)



「ガメラ3-邪神覚醒」 平成ガメラシリーズ最後の作品
今日紹介するのは、平成ガメラシリーズの「ガメラ3-邪神覚醒」。

平成ガメラシリーズは、凝った脚本と質の高い特撮で評価の高いシリーズです。といっても所詮は怪獣映画ということで、残念ながらあまりヒットはしませんでした。ファン待望の「ガメラ4」も作られずじまいです。(2006年に公開された「GAMERA小さき勇者たち」はこのシリーズとは別のものです)

このシリーズで私が特に好きなのが「ガメラ3-邪神覚醒」です。賛否両論があるのは分かるのですが、それでも好きです。確かに物語りは良く分からないし、はっきり言って陳腐です。ですが、それを補って余りあるのが、ガメラの造形と特撮の素晴らしさ。

「ガメラ3」の頭を極端に小さくしたデザインのガメラは非常に凄みがあります。対決シーンが夜ばかりなのも、凄みを増している一因なのでしょう。はっきり言って、このガメラは非常に怖いのです。

ガメラが暴れるシーンが、映画中断と後半に二度あるのですが、どちらも素晴らしい出来。この部分は怪獣映画を超えて、パニック映画になっています。特に中断で出てくる、渋谷駅でのギャオスとの対決が素晴らしい。わたしは公開時に映画館で見たのですが、まさに黙示録的とでも言いたくなるような凄まじい破壊のシーンでした。夢に出てきそうです。

平成ガメラシリーズは、カメラを人間の視点に置いて怪獣を捉えているのが特徴なのですが、それを最も突き詰めたシーンがこの渋谷の対決シーンだと思います。パニック映画に見えるのも、人間の視点から怪獣を撮っているからでしょう。ハリウッドの特撮などより、よほど迫力があります。

ロングテール度:★★★★
お奨め度:★★★

個人的には、お奨め度★五つあげたいのですが、やはり万人に薦められる作品ではないと言う事で★三つに留めました。

この作品の最後は、世界中で大発生したギャオスの大群が、まさに日本に上陸しようとするところで終わっています。もしあの続きが作られたら、それはどんな映画になっていたのでしょうか?



にほんブログ村 映画ブログへ
人気ブログランキングバナー(小)


テーマ:特撮・SF・ファンタジー映画 - ジャンル:映画

1978年 … 映画が変わった年
私の場合、映画(主に洋画でしたが)を意識して観だしたのは、中学生のころでした。年代で言うと1975年前後です。そのため、その時代の映画というのは、今でも私にとって、感傷と共に特別な意味をもっています。

そこで、1978年という年が、特別な意味を持ってくるのです。

この年、2月に「未知との遭遇」が、そして6月に「スターウォーズ」が公開され、社会現象ともいうべき大ヒットをしました。そして、この年を境に、私は公開される映画にある種の違和感を覚えるようになりました。

私が特別な感傷を抱いている時代の映画というのは、作品で言うと「ダーティーハリー」であり、「ペーパームーン」であり、「パピヨン」であり、「セルピコ」といった作品です。さらにそれ以前の時代の「真夜中のカーボーイ」、「ラストショー」、「スケアクロウ」などの、アメリカン・ニューシネマの作品たち。こういった作品のもっていた、ある種の臭いのようなものが、1978年を境に映画の中から消えてしまったような気がしてならないのです。

「未知との遭遇」や「スターウォーズ」の、あまりのノーテンキさに、私はついていけないというか、取り残されてしまったような感じを覚えました。そしてこの年以後、映画のターゲットとする客層が、一気に子供の方にシフトしてしまったと思います。

私が中学の頃の映画というのは、画面もザラザラしていてい、主人公はサングラスに革ジャンのアウトサイダーでした。必ず社会との間に葛藤を持っており、性格は内省的。今の映画に出てくるヒーローのような、スカッとした行動は取れない人々でした。そして、映画の最後では、挫折したり、死んだりして終わり。エンドクレジットは、たいてい夕陽のシーン。

この時代は、「負け犬」であることが、ヒーローの条件でした。

アル・パシーノは、この時代を代表する俳優だと思います。今の人の思い浮かべるパシーノというのは、「ゴッドファーザー」のマイケル・コルレオーネのイメージだと思うんですが、私のイメージでは、パシーノはああいう大物ではなく、失業中で、神経症的で、沈黙が怖くていつも喋り続けている小男(そしておそらくホモ)なのです。

今から振り返ると、この時代が特別なものに思えて、とても懐かしく感じられます。今後、この時代に好きだった映画を掘り起こして、このブログで紹介して行きたいと思います。

人気ブログランキング
にほんブログ村 映画ブログへ
人気ブログランキングバナー(小)


「ノーカントリー」 
アカデミー賞受賞作「ノーカントリー」。

ロングテール度:★
お奨め度:★★★★

最近では、めったに映画館に行かないのですが、本日、観てまいりました。
とても良かったです。やはり殺し屋シガーを演じるハビエル・バルデムさんが、とても印象に残ります。

無表情な貌で、仕事の殺しも、無意味な殺しもてきぱきとこなす、異様な人物像。
ターミネーターの様に、逃げても逃げても追ってくる殺し屋は、異様な風体の中年のおっさんなのがかえって不気味です。

80年代のテキサスが舞台。出てくる男はみんなテンガロンハットをかぶっているイメージです。ジム・トンプソンの小説のような世界ですね。

それにしても、こんな作品がアカデミー賞を取るとは、世の中変われば変わるものです。だってこれって、「ゲッタウェイ」が作品賞取るようなものでしょう。あの時代の人に、「ゲッタウェイ」みたいな作品がアカデミー賞を取ったって言っても、誰も信じないでしょうね。

◆ あと、アカデミー賞作品の割には、映画館がかなり空いていた。作品の内容からみても、あまりヒットしそうな映画ではなさそう。アカデミー賞作品ということで、無条件にロングテール度を★一つ(ファットボディ!)としましたが、★二つがいいところかなあ。むしろ数年後にはカルトになってしまうんじゃないか、などと思っています。

にほんブログ村 映画ブログへ
人気ブログランキング



テーマ:ノーカントリー - ジャンル:映画

「キサラギ」 アイドルの一周忌に集まった五人の男たち
話題の映画「キサラギ」です。まだ新しい映画ですし、DVDも出たばかり。知ってる人は、けっこう知っていますが、巷で有名と言うほどではない。

ロングテール度:★★★
お奨め度:★★★

凝った脚本と、五人の個性派俳優の演技で娯しませてくれます。で、たしかに面白かったのですが、いろいろ言われているほどでは・・・、というのが感想です。

閉鎖した空間と、少人数の俳優は、映画というよりも演劇に近いです。映画の内容にも、リアリティは全くありません。そのような世界を娯しんでいける人なら気に入る映画だと思います。私としては、たしかに話は面白いんですが、観ているうちに少しずつ白けて行ってしまうのを、どうする事も出来ませんでした。

でも、この映画、これからもコアなファンに支えられていくのではないかと思います。



にほんブログ村 映画ブログへ


テーマ:キサラギ - ジャンル:映画

「アイ・ロボット」
2004年公開のSF映画、「アイ・ロボット」です。ただいまDVDを見終わったばかりです。

ロングテール度:★★
お奨め度:★★

まだ新しいし有名な作品なのでロングテール度は★二つでしょう。お奨め度も、残念ながら★二つといったところ。

見所は、特撮と迫力のあるアクションシーンが満載のところ。お話は、はっきり言ってB級ですね。

私は、アイザック・アシモフの「われはロボット」は未読なのですが、本当にこんな話なのでしょうか?ロボット三原則が出てきますが、ストーリーのメインラインにはまったく関係ありません。真面目に観るとがっかりします。物語の後半はドタバタの連続で、いかにもウィル・スミス主演の映画です。これならどんな結末を持ってきても同じです。それでも、特撮の迫力で最後まで観る事はできますが・・・。

大スター(ウィル・スミスのこと)主演で、お金も掛かっているようですが、はっきり言って

にほんブログ村 映画ブログ B級映画へ

ですよね?

テーマ:特撮・SF・ファンタジー映画 - ジャンル:映画

「ノーカントリー」 今年のアカデミー賞作品
アカデミー賞四部門を受賞した「ノーカントリー」です。

ロングテール度:★

15日公開ですね。まだ見ていないので、お奨め度はありません。

なんでも、殺し屋シガー役のハビエル・バルデムが、怖すぎて笑えるほどの怪演だとか。期待してしまいます。

コーエン兄弟の映画って、なんか敬遠してしまって、あまり見ていません。公開当時アメリカで見た「ブラッド・シンプル」と「バートン・フィンク」くらいのもの。面白かったかというと、?という感じです。なんとも感想の持ちようのない映画という感じ。ひょっとすると、私には合わないのかな、などと思ってしまいます。「ノーカントリー」見たら、またご報告します。

にほんブログ村 映画ブログへ

「マネーウォーズ」(宮川総一郎) 昔の証券会社はこんなだった
「マネーウォーズ」。1985年にビジネスジャンプに連載された漫画です。

漫画にはオリジナリティを求めるなどと言っておきながら、こんな作品を薦めるとは!
…と言いたくなるほどベタな漫画です。

ロングテール度:★★★★
お奨め度:★★

お話は、山興証券の新人証券マン、相場 剛くんが活躍する証券会社の世界を描いています。
今から二十年以上前の株式の世界。

東京証券取引所では、場立ちが闘っています。ネット証券なんてヤワなもんは形もない、ガチンコ営業の世界。「頭、何のためにつけてる!」「はい!下げてきます」。証券会社の店頭で、さまざまなドラマは展開します。こわい大門次長(ファンです!)の激が、客の前でも平気で飛んで来ます。「この支店は、いつ来てもすげえな」
その大門次長までが、危ない客に店頭で刃物に刺され……。

証券マンたちは銀座のクラブで、当然のように客のボトルを空けます。好青年の相場君でさえ、客の話を聞きながら、肘ついて平気で煙草に火を点けます。傾いた支店を立て直すのが専門の斬り込み隊長なんて奴まで出てきます。強引な営業も、インサイダー取引もあたりまえです。

投資ジャーナル事件をモデルにしたエピソードもあります。NTT株放出。ブラックマンデー。マルサの査察。バブル直前のあの時代を象徴するような事件が次々に現われ、今読むと隔世の感があります。

FC2 Blog Ranking

トールヘッドと言うんですね
ロングテールの反対の概念、つまり高い首のところは正式にはトールヘッドと呼ぶのですね。ロングテール関係の書物は読んだことがないので知りませんでした。このブログでは、「ファットボディ」と呼んでいた部分です。修正しようかとも考えたのですが、せっかく命名したので、まあここではファットボディで許してもらおうかと思います。

このブログでテーマとしているロングテールな映画や小説や漫画とは、ほとんど知名度はないが、見逃すには惜しい、面白い作品というような意味です。

FC2 Blog Ranking

テーマ:日記 - ジャンル:日記

「鈴木先生」
昨日の話題に続いて、今日は私が最近いちばん面白いと思っている漫画を紹介しましょう。

「鈴木先生」 (武富健治)

第11回文化庁メディア芸術祭優秀賞受賞、だそうです。もうあちこちで紹介されて、有名な漫画ですよね。

はじめに一巻を読んだとき、正直言って面白いのかつまらないのか判断が出来ませんでした。真面目なのか、コメディなのか分からん。ここで笑っていいのかどうか考えてしまう、という不思議な体験をしました。三ヶ月くらいしてようやく、まああれは面白かったんだろうと思えるようになり、二巻を買いました。ここからは、頭をひっぱたかれたような面白さ。現在四巻まで出ていますが、続きが読みたくてしょうがありません。

主人公である鈴木先生は、男女共学の中学校の先生です。その名前のように、一見、どこにでもいそうな平凡な先生なのですが、こんな先生どこにも居るわけありません。

「斬り込んで動揺させたつもりか知らんが……返しやすい球だ!!」

「ヤバそうに見えるかもしれませんけど…ちゃんと自覚してここまではギリギリ大丈夫、許されるってラインまでと決めてガス抜きしてるんです!十分に理性の手の内なんですよ…ご心配なく」(ニコッ)

「あの子は---僕にとって…のんのんさまなんです!!」

もうたまりません!すごい台詞です!
安易な結論に逃げることなく、毎回、脂汗流して思考に思考を重ね、論理的に結論に導いていく。もう鈴木先生にあったら、どんな生徒だって納得させられるしかありません。・・・生霊も愉しみです。

あと、この漫画の面白いところは、各エピソードが閉じていなくて、微妙に以後の話に影響を残しているところが挙げられます。たとえば、最初のエピソードでは、食事中のちょっとしたクセがテーマになっているのですが、そのエピソードが終わり、物語がずっと進んだ後になって、思わぬ人物が食事中に不意にそのクセを見せる何気ない一コマ。ドキッとします。人物描写の冴えというだけでは片付けられない、輝きがあります。

ロングテール度:★★
お奨め度:★★★★★



FC2 Blog Ranking

テーマ:日記 - ジャンル:日記

「バンビーノ」第53回小学館漫画賞受賞
今日、買い物に行って、「バンビーノ」という漫画を買いました。第53回小学館漫画賞受賞作品。と言う事は、今、旬な漫画なんでしょうね。

ロングテール度:★

時期的なものの考え合わせると、ロングテール度は★一つでしょうか。今回は、お奨め度はありません。

私は、映画とミステリーが好きなんですが、漫画も時々読みます。まあ暇つぶしに漫画喫茶に入るくらいには好きなんですが、それでも映画やミステリーほどではありません。それで、どうしても漫画に関しては、評価が厳しくなってしまいます。映画やミステリーであれば、そこそこ面白い作品でも、けっこう満足できるのですが、漫画に関しては、単に面白いだけでは物足りません。

私が漫画に求めるものは、面白さは当然のこととして、それプラス、オリジナリティ。つまり、これまで無かった、誰も思いつかなかった何かがないと満足できないのです。単に面白いだけの漫画は幾らでもありますが、それだけでは何十巻もの長丁場を最後まで乗り切る事はできません。

そこで「バンビーノ」ですが、まず一巻を読み終えました。どうなんでしょうか。厨房は戦場であるとのコピーが付いています。普通のグルメ漫画とは違い、厨房の戦場のような忙しさをテーマにしているみたいです。そこが若干目新しくは見えますが、これがオリジナリティに繋がるかどうか。単に「忙しい」と「熱血」だけじゃしょうがないでしょう。たとえば横山秀夫が警察小説に持ち込んだような、組織と人間などのような新しい視点が出てくるのか?

……などと勝手に想像しています。取りあえず今のところ評価は保留です。この先、どうなるか。


FC2 Blog Ranking

テーマ:日記 - ジャンル:日記

セキュリティーショー2008
昨日、仕事の関係で東京ビッグサイトで開かれたセキュリティーショー2008に行って来ました。

セキュリティーショーは、初めて開催された頃(二十年以上前)から顔を出していました。当初は、消火器ばかりが目立つ、本当に小さな展示会でした。屋外に立てた小屋に石油をぶちまけて本当に火を放ち、消火器で消すといった乱暴なデモが目立ちました。ひと頃は、AI(人工知能)ショーのオマケみたいに開催されていた時期もありました。そのセキュリティーショーが、こんなに大規模な展示会に成長したのはいつごろからだったでしょうか。昔の事を思い出すと感慨もひとしおです。

今回の展示は、防犯カメラシステム、画像システム、出入管理、サイバーセキュリティーといったところが目立ちました。どのブースに行っても同じようなテーマという印象も強かった。ひところ目についた、ガテン系とでも言いましょうか、いかにも警備といった感じのテーマ(防弾チョッキとか、防毒マスクなど)は影を潜めています。会場を広く取りすぎた結果、なんだか会場内の密度が薄く、去年より活気がない(さみしい)感じがしました。
[READ MORE...]

テーマ:日記 - ジャンル:日記

「ライアンの娘」-愛すべき大作
愛すべき小品という言葉がありますが、愛すべき大作という言葉は許されるのでしょうか?「ライアンの娘」は、愛すべき大作という言葉がぴったりの作品です。「逢びき」に続き、デビッド・リーン監督作品です。この映画を好きな人は、とにかくとことん好きになります。半端はありません。私も、映画館、テレビ、レーザーディスク、DVDと何度見たか分かりません。

ロングテール度:★★★
お奨め度:★★★★★

アイルランドの大自然とアイルランド紛争を背景にした、堂々たる70mm大作です。しかし、その内容はというと、単なる人妻の不倫物語です。そのアンマッチが、何ともいえない味を醸し出しています。

同じデビッド・リーン作品の「逢びき」と比べると、いろいろな意味で好対照。「逢びき」は小品、でこちらは70mm大作。「逢びき」が精密な心理劇なのに対して、こちらは大スクリーンの迫力と情感に訴え続ける恋愛映画。「逢びき」が禁欲的な恋愛なのに対して、こちらは殆ど肉欲のみの恋愛です。それこそ初めて逢ったシーンから、いきなりむしゃぶりついています。その後も、隠れて逢ってはヤリまくるばかり。この二人が言葉を交わすシーンは殆どありません。

主人公の人妻に加えて、妻を寝取られる夫、戦争恐怖症の不倫相手、口うるさい神父、知恵遅れの男など、全ての登場人物の心の傷がひしひしと迫ってきます。アイルランドの寒村で起る、コップの中の嵐のようなイザコザを、デビッド・リーンはロシア革命並みの大事件に見せてしまいます。

70mmスクリーンを意識した美しい場面が、いたる処に散りばめられています。是非もう一度、70mmワイドスクリーンで見たいと思っているのですが、おそらく無理でしょう。



(追記です)つい一週間ほど前、アマゾンから「ライアンの娘」のDVDが届いたところです。以前、レーザーディスク版は持っていたのですが、DVDはありませんでした。さっそく鑑賞したところ、その画質の綺麗さにびっくり。レーザーディスクのものより格段に良くなっていました。この映画は特に、自然描写の美しさがひとつの魅力になっていますので、この画質はとてもうれしいです。つい大画面の液晶TVで観てみたいなあと思ってしまいました。

テーマ:ヨーロッパ映画 - ジャンル:映画

ロングテール度が全て出揃いました

とりあえず映画を題材に、ロングテール度の例を揃えてみました。
整理してみましょう。

ロングテール度
スターウォーズファットボディ!
★★逢びき往年の名作
★★★クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶモーレツ!オトナ帝国の逆襲コアなファンをもつ作品
★★★★要塞警察カルトな作品
★★★★★狼の時刻自分だけの宝石

これが私の考えるロングテール度というものです。イメージ湧いたでしょうか?「要塞警察」や「狼の時刻」をもってこられて、イメージ湧いたかと訊かれても困りますよね。

上の表の一番の右の列は、イメージをより明確にするためのコメントです。別に条件というわけじゃありません。例えば★★は、往年の名作しか駄目なのかと言えば、決してそうではありません。あくまでイメージです。

まあ、こんなところを一応の指標として、色々なものを紹介していきたいと思っていますので、楽しみにしてください。ちなみに、このブログで取り上げるものは、特に映画に限ったわけではありません。


ロングテール度:★★★★★「狼の時刻」
ロングテール度:★★★★★
お奨め度:★★★★

ほとんどの人が知らない映画だと思います。イングマール・ベルイマン監督作品。日本未公開。三十年ほど前にテレビの深夜放送で放映されました。その時のタイトルは、たしか「狼の時間」だったと思います。驚いた事に、最近になってDVDでリリースされたので、また見る事が出来ました。

自分の中ではお奨め度★五つなのですが、やはり万人向けではないと思いますので、四つに留めました。「知的ホラー映画」などと呼ばれる作品です。これまで私が見た映画の中で、もっとも怖い映画が、この「狼の時刻」です。

マックス・フォン・シドウとリブ・ウルマンのゴールデンコンビです。撮影はスヴェン・ニクビスト。白黒。スタンダードサイズという、ベルイマン映画の典型とも言える作品。完成度も高く、なぜこれが日本未公開なのか不思議です。

ここでは、ホラー映画としてお奨めしています。もともとベルイマン作品には、ホラー映画(というか恐怖映画)に通じる要素が強いと思っていたのですが、この作品はある一線を踏み越えていて、完全にホラーの領域に達しています。

物語を説明しても、あまり意味はないと思います。作品中段にある、マックス・フォン・シドウが岩場で釣りをするシーンは、トラウマになります。これまで映画に登場した中で、最も忌まわしいイメージではないでしょうか?最近になってDVDで見直して、なんと自分がこのシーンを忘れていた事に気づきました。マジでトラウマになったため、忘れてしまったのかもしれません。
映画後半の恐怖イメージのつるべ打ちのところははっきり覚えていたのですが、それより衝撃度の勝る「釣り」のシーンを忘れていたのは、ちょっとショックでした。

こういう映画がDVDで売り出されるのは嬉しい事です。イングマール・ベルイマン・コレクションとして、「狼の時刻」「恥」「蛇の卵」の三本が売り出されています。三十年前に私が見たときは、「狼の時間」をやって、その翌日に「恥」をやっていたと思います。さらに、この二本が放映される少し前に「沈黙の島」という題名で、もう一本の日本未公開のベルイマン作品が放映されていました。これはベルイマン始めてのカラー作品だそうです。キネマ旬報世界の映画作家「イングマール・ベルイマン」には、「熱情」というタイトルで紹介されている作品です。



* 現在、アマゾンの中古小品が一点のみ入手可能のようです。



* 新たに単体でDVDが発売されました。

テーマ:ホラー - ジャンル:映画



上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。