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Author:ロングテーラー
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ロングテール研究所
誰も知らないお奨め映画『ロングテールムービー』を発掘する【ロングテール研究所】
             
ロングテール研究所では、採り上げる作品を以下の様にロングテール度とお奨め度の二つの指標で紹介しています。お奨めでない作品は、基本的に取り上げないつもりです。

ロングテール度:★(誰もが知っている)、★★(殆どの人が聞いたことがある)、★★★(聞いた事があるような・・・)、★★★★(知っている人はめったにいない)、★★★★★(誰も知らない)  ・・・サンプルはこちら

お奨め度:★(もしご興味があれば)、★★(お奨め、でも人によっては・・・?)、★★★(観る価値あります)、★★★★(機会があれば是非!)、★★★★★(探してでも観て!)


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「隣の家の少女」 読んだらきっと後悔します!
ジャック・ケッチャムの代表作。「隣の家の少女」

ロングテール度:★★★
お奨め度:★★★★

お奨め度が★四つだからといって、うかつに手を出さないでくださいね。読んだら絶対後悔します。請合います。本当は★五つでもいいんですが、そんな意味で一つマイナスしました(そんなのばっかり!)。

アマゾンの読者の書評欄などを見ると、あれだけ警告されているにも係わらずこの本に手を出してしまった人たちの慟哭の声が連なっています。まさに死屍累々ですね。

ジャック・ケッチャム。読んだのは三作だけですが、どれも素晴らしいです。スティーブン・キングと同じくらい素晴らしい小説です。(だけど、書いていい事と悪い事がありますよね、たぶん)内容が内容だけに、次から次へとうかつに手を出せない作家です。まだ読んでいない作品はたくさんあるので、その意味ではうれしいんですが、読むときは心して掛からねばなりません。

また、扶桑社ミステリー文庫の表紙が素晴らしいです。この作品といい、「オフシーズン」といい、あの表紙をみて、(あと「隣の家の少女」という題名をみて)誰がこの内容を想像するでしょうか?だけど、読み終った後で、しげしげとこのシンプルで物悲しいデザインの表紙を見てみると、なんだかしっくりくるので不思議です。あの「オフシーズン」でさえ、なんとも美しい表紙が映えて見えるのですよね。

「隣の家の少女」を読んだときから、ほんとうは誰かにこの本を読ませてみたくてしかたないのです。そしてその人がどうなるのか観察してみたい。さすがに出来ませんけどね。読書好きの友人に、何にも言わずにこの本を薦めたらどうなるでしょうか。次に会った時、口きいてもらえるか心配です。

巻末に、スティーブン・キングの長い解説が付いています。あいかららず、やや饒舌に、興奮気味にケッチャムのすばらしさ(キングの言うところの素晴らしさです、あくまでも)を訴えています。ジャック・ケッチャムといい、ジム・トンプソンといい、キングのほめる作品は凄いのが多いです。そしてとっても毒があって、悪趣味です。わたしは大好きですが・・・。



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「レッドドラゴン」 レクター博士が登場する最初の事件
「レッドドラゴン」は、トマス・ハリスの原作、はじめてハンニバル・レクター博士が人々の前に登場したミステリーです。この作品を原作とした映画は二本あり、一つはマイケル・マン監督の「刑事グラハム 凍りついた欲望」、もう一つがブレット・ラトナー監督の「レッドドラゴン」です。後者は有名ですが、前者はほとんど知られていないと思います。

まず前者ですが、「刑事グラハム」というタイトルからして脱力です。まず主人公の名前はグラハムではなくグレアム。そして刑事ではなく、FBIの特別調査官(捜査官ではない)という二重のミスをおかしています。このタイトルを付けた日本の配給会社、この作品を売ろうという気がまったくなかった事がわかります。「刑事グラハム」が公開されたのが、「羊たちの沈黙」が公開される四年前にあたる1988年である事を考えるとしかたないかもしれません。当時、この映画に脇役で出てくるレクター博士なる人物(登場シーンは短い)が、これほどの有名人になるとは誰も思わなかったにちがいありません。

とはいえ、この「刑事グラハム」は、それほど悪い作品ではありません。地味ではありますが、この特異な作品をうまく映画化していると思います。

対して、「レッドドラゴン」は2003年の作品。アンソニー・ホプキンスのレクター博士で売り出そうとしているのが見え見えです。原作小説と比べても、レクター博士の出番が倍くらい大きくなっています。

ですが、この作品では、グレアム役にエドワード・ノートン、犯人のダラハイド役にレイフ・ファインズというクセのある俳優を揃えることで、レクター以外のドラマの部分もそれなりに良く出来ています。内容は原作にほぼ忠実で、長い原作を巧く整理してまとめていることが分かります。ラストシーンが原作とは少し異なりますが、ひねりを効かせた分、原作よりも面白いエンディングになったと思います。

私がトマス・ハリス原作の「レッドドラゴン」を読んだのは、1985年ごろだと思います。日本で原作の翻訳がハードカバーで出たときに読みました。やはり、脇役であるレクター博士の存在感が圧倒的で、作品全体の印象はうすれても、ハンニバル・レクターはよく憶えていました。

作品全体としてはというと、あまり印象に残ってはいませんでした。それだけに「羊たちに沈黙」があれだけヒットしたのには、意外な思いが強かったです。「レッドドラゴン」「羊たちの沈黙」というと、異常心理物の代表作のように言われるのですが、なぜこの作品だけが特別に取り上げられるのかという疑問も少し感じます。異常者による連続殺人事件を捜査官が追跡するという図式では、ローレンス・サンダースの「魔性の殺人」というすごい傑作があるのに、こちらは話題にもならないで絶版になってしまうというのにも疑問を感じます。

とはいえ、「レッドドラゴン」「羊たちの沈黙」までなら、映画、小説ともに満足のいく作品ではないかと思っています。

ロングテール度:★★
お奨め度:★★



* 「刑事グラハム」は、「レクター博士の沈黙」という題でDVD化されています。

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「爆発の臨界」 田中光二の懐かしい国産冒険小説
今日、本屋を覗くと、文庫本の古書がならんでいました。その中で見つけたのが、田中光二さんのいくつかの作品でした。なつかしくて、「大いなる逃亡」「失われたものの伝説」を買ってしまいました。いちばん欲しかった「白熱:デッドヒート」は残念ながら見つけられませんでした。今回は、昔読んだ「爆発の臨界」を紹介しようと思います。

「爆発の臨界」は、田中光二さんの冒険小説です。国産冒険小説の走りのような作品です。読んだのは三十年ちかく前でしょうか。今、手に入れるのは難しいかもしれません。

ロングテール度:★★★★★
お奨め度:★★★

当時の日本には、まだ冒険小説というジャンルが確立されていなくて、スケールの大きいエンターテインメント小説を読むには、海外の翻訳本を猟らなければならない状況でした。

そんな中、数少ない冒険小説を書いていたのが、若きSF作家だった田中光二さん。SF出身だけあって、着想が非凡でスケールの大きいエンターテインメントを書いてくれていました。「爆発の臨界」は、代表作のひとつでしょう。「東京湾炎上」というタイトルで映画化もされました。今読んでも十分に通用する作品と思います。いや、むしろ時代を先取りしすぎた作品だったかもしれません。

石油を満載したタンカーが、東京湾のど真ん中でテロリストにシージャックされるというのがメインストーリー。彼らは、鹿児島の石油基地を爆破するよう政府を脅迫する。従わない場合は、東京湾の真ん中でタンカーを爆破するという。生態系が破壊され、湾岸一帯が死の街となる。

数年後になって、フレデリック・フォーサイスが「悪魔の選択」で、石油タンカーのシージャックを扱いましたが、先に「爆発の臨界」を読んでいた私には、なんだか二番煎じくさく感じられてしょうがなかった。面白さも迫力も「爆発の臨界」の方が勝っていたと思います。田中さんは、もし東京湾の真ん中で石油タンカーが爆破されたらどうなるかという詳細なシミュレーションを小説の中で展開してくれました。当時、エコロジー的な発想はまだあまりなかったので、そのシミュレーションの迫力には圧倒されたものでした。

この小説、力で押し切るだけじゃなく、着想にもいろいろ面白い点があります。シージャックに対抗する政府は、なんと映画の特撮マンを集めて、特撮を使ったニュースの実況中継を行い、テロリストを瞞そうとするのです。現実味があるかどうかは別として、サスペンスもあるし、小説としてはとても面白かったです。

さらにクライマックスとして、田中さんは、タンカーの石油槽の底に落下した時限爆弾を、潜水服に身を包んだ主人公が回収に行くというシーンを用意しています。いつ爆発するか分からない爆弾を探しに、まっ黒な石油の海にダイブする主人公。こんな、オリジナルで恐ろしいクライマックスは読んだ事がありません。自身の恐怖と闘いながら、石油の海を降下して行く主人公とともにハラハラする、まさに冒険小説らしいクライマックス。至高の読書体験でした。

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「ライアー」 あなたはだまされる
1997年のアメリカ映画「ライアー」。ジョナス&ジュシュ・ペイント監督。ティム・ロス、レネー・ゼルウィガー出演。ポリグラフを使った、取調室における三人の男の密室ドラマ。三人とは、

ウェイランド:29歳。IQ151。プリンストン大学心理学主席卒業。大富豪の息子。
ケネソウ:44歳。IQ122。ノース・カロライナ大心理学部卒。嘘発見器歴1500件。自白率92%。
プラクストン:33歳。IQ102。レークモント高校卒。157人中125番。スーパーの警備員を経て警察。

だそうです。

ロングテール度:★★★★
お奨め度:すみません。評価できません。


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「ブルーベルベット」 デビッド・リンチの描く原色の悪夢
デビッド・リンチの代表作として「ブルーベルベット」を採り上げたいと思います。

ロングテール度:★★★★
お奨め度:★★★★

私は大好きな映画なので、お奨め度に★五つ上げたいのですが、誰にも薦めるには無理のある内容なので、四つに留めようと思います。

一度観たら、その甘美な世界に囚れて、脱けられなくなるような作品です。この映画を一言で表すと、グロテスク。裏庭で大きな石を引っくり返したら、湿った裏側に気持ち悪い蟲がうじゃうじゃいるのを見付けたような感じです。



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「テレプシコーラ」 山岸凉子の傑作
ついに「テレプシコーラ」の10巻を読み終えてしまいました。このところハマッていた山岸凉子の傑作バレエ漫画です。

すでに賞も取っているし、評価も定着しているし、いまさらわたしが何かを付け加えるというのもおこがましい、巨大な山脈のような傑作漫画です。

ロングテール度:★
お奨め度:★★★★★

バレエに全てを懸けた、少女たちの姿が、一組の姉妹を中心にして語られていきます。少女たちの純粋さと、真摯さに、ついつい物語の中にのめり込んでしまいます。物語の訴求力は凄まじく、最盛期のスティーブン・キングの小説のように、まるで襟首を掴まれて本の中に引きずり込まれるようにはまり込んでしまいます。ついに10巻まで読んでしまい、先が無いのが寂しいくらいです。


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「アサルト13・要塞警察」 残念なリメイク
一昨日、日曜洋画劇場で「アサルト13・要塞警察」を観ました。この作品は、このブログでも紹介した、ジョン・カーペンターの「要塞警察」をリメイクしたもの。イーサン・ホークとローレンス・フィッシュバーンが出演しています。わりと評判が良かったので期待して観たのですが、もう一つの出来でした。リメイクである事を割り引いて、ただのアクション映画だと思って観ても、ほめられた出来ではありません。

ということで今回は、ロングテール度とお奨め度の評価はなしです。

(以下、この映画のネタばれがあります)

カーペンター版「要塞警察」の長所は、襲ってくるギャングを、感情を持たないエイリアンみたいに描いたことだと思います。それだけに、ギャングたちがサイレンサーつきのライフルで、次々に襲ってくるシーンは、不気味な迫力に満ちていました。たとえ人間の形をしていても、こいつらとはとってもコミュニケーションが成立しないな、と思わせるものがありました。それは、オリジナル作品冒頭の、あのアイスクリーム屋のシーンからしてそうです。だいたいこのシーンって、どんなホラー映画のどんなコワイシーンを持ってきても、太刀打ちできないくらいコワイんじゃないでしょうか?

それに対して今回の「アサルト13」ですが、襲ってくる敵役が理性を持った人間として描かれてしまっています。いろいろあっても、最後は人間同士。話せばわかるよ、と思わせてしまうのです。その分、たとえどんなに強くっても、不気味さはありませんでした。

今回の設定では、13分署を襲う集団の正体は、悪事の証拠隠滅を図る武装した警官なのです。いかにもアクションシーンの必然性を作り上げるための、ちょっとひねった設定って感じですよね。

では、単純なアクション映画としてどうかというと、これもあまり感心しません。アクションシーンの整理がきちんとついていなくて、理解できないところが多いのです。アクションシーンに肝心な、空間的位置関係もうまく整理されていません。そのうえ、クライマックスシーンが、なぜかいきなり森の中になっているのです。え?ここって、たしかデトロイトのダウンタウンだったよね?ここだけ別の映画をもってきて繋げてしまったみたい。木に竹をついだようです。

TV放映にあわせて大胆なカットがあったのかもしれませんが、とにかく、頭をひねることだらけの映画でした。

テーマ:TVで見た映画 - ジャンル:映画



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