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「テレプシコーラ」 山岸凉子の傑作http://longtailer.blog96.fc2.com/blog-entry-77.html">「テレプシコーラ」 山岸凉子の傑作
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「テレプシコーラ」 山岸凉子の傑作
ついに「テレプシコーラ」の10巻を読み終えてしまいました。このところハマッていた山岸凉子の傑作バレエ漫画です。

すでに賞も取っているし、評価も定着しているし、いまさらわたしが何かを付け加えるというのもおこがましい、巨大な山脈のような傑作漫画です。

ロングテール度:★
お奨め度:★★★★★

バレエに全てを懸けた、少女たちの姿が、一組の姉妹を中心にして語られていきます。少女たちの純粋さと、真摯さに、ついつい物語の中にのめり込んでしまいます。物語の訴求力は凄まじく、最盛期のスティーブン・キングの小説のように、まるで襟首を掴まれて本の中に引きずり込まれるようにはまり込んでしまいます。ついに10巻まで読んでしまい、先が無いのが寂しいくらいです。


この物語の視点となる人物はふたりいます。一人はもちろん、全編を通しての主人公である六花(ゆき)という少女。もうひとりが、空美(くみ)という奇怪なキャラクターの少女です。まあ、空美のパートは、視点という意味では少し曖昧すぎるかもしれません。むしろ作者は、空美の内面に入り込まず、この少女を意識して外側から描こうとしているようにも見えます。

しかし、この空美のパートは、物語の前半の方で、突如断ち切られるように消されてしまいます。「テレプシコーラ」という物語は、空美とともに始まったと言って良いほど重要なキャラクターにも係わらず、全てのエピソードが謎を残したまま寸断されてしまうのです。

このあたりは、山岸凉子のたくらみを嫌でも想像してしまうところです。これらのエピソードは、第二部以降、さらに大きな物語世界となって、戻ってくるはずです。

この空美のパートに出てくる重要なキャラクターに栄一さんという人がいます。こいつは空美の父親なのですが、とんでもないろくでなしです。同時に、この物語り全体を象徴するようなキャラクターでもあります。

「テレプシコーラ」は、バレエという掛け替えのない芸術に対する愛に満ち満ちています。登場人物たちは、全身全霊を懸けて、バレエという神に尽くします。しかし、それほど高貴で掛け替えのないバレエという芸術が、この物語の中では、常に現実世界からの攻撃にさらされ、傷を負い、崩壊寸前になっています。登場人物たちは、なんとかこの芸術を、現実からの攻撃から守ろうと必死ですが、それでも現実は次々に侵食の手を伸ばしてきます。生活保護、幼児ポルノ、拒食症、医療過誤、いじめ、有害サイト。美の女神に奉仕しようとする登場人物たち対する、散文的な現実世界からの攻撃の手を、作者は緩めようとしません。

栄一さんは、姉である伝説のバレリーナの前では、「僕だって男だ。いつまでも生活保護でへこたれてりゃいません(キリッ)」と言い切って見せますが、背中を見せた途端、「差し押さえは三日後だ。姉貴に言っとけ」と平然と言い放つのです。姉という芸術の前では、つねに神妙な顔を見せても、それは上辺だけ。差し押さえという現実の前では、芸術など如何ほどの価値もないと思い、唾を吐く。

六花の姉をいじめていた女生徒も同様のキャラクターです。この少女も二面性をもっていて、学校などの公的生活で見せる神妙な顔は表向きだけ。私生活では、ド派手で、隠れて姉をいじめで追い込むような性格破綻者です。

これらのキャラクターが示すように、現実世界は、芸術世界に対して常に良い顔しか向けませんが、背中を見せた途端に舌を出すような不誠実なパトロンなのでしょう。人々の必死の献身にも係わらず、現代の芸術は常に深い傷を負っています。それでも芸術に取り付かれた人々は、その献身を止めることは出来ません。

この10巻では、ついに六花の姉が、その犠牲となります。

今後、姉の死を乗り越えた六花が、どのような成長をみせてくれるか。消えて行ったエピソードが、どのように戻ってくるのか、第二部を読むのがいまからとても愉しみです。




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この記事に対するコメント

こんにちはー。
記事更新を見逃していました!
テレプシコーラ、すごいですよね。
それにもましてロングテールさんの
すばらしい紹介文はわたしが読んだどんなテレプシコーラの書評よりすごいです。
さすがです。
テレプシコーラはあっさりした感じの絵なのですが
ずいぶんバレエシーンに時間をかけて描いていたそうです。
ファンの間では空美ちゃんの再登場を待ち望む声が高いです。
(わたしもです)
あれほど存在感のある登場人物はかつて少女マンガの世界には
いなかったように思います。
ロングテールさんの作者は空美を意識して外側から
描こうとしているという指摘にはなるほどと思います。

今、雑誌ダ・ヴィンチで第2部が連載されています。
最新号が5日発売なので立ち読みしてきました。
単行本が出たら買う事にしているのですが
待ち遠しいのですよね。笑
またドキドキはらはらする展開で
ぞーっとしてます。笑
【2008/06/09 22:01】 URL | penpen「white_zinnia] #ZNkQllYk [ 編集]


こんにちわ。
過分なお褒めの言葉を、ありがとうございます。感動しています。
山岸凉子の漫画は、やはり面白いですね。
それにしても、空美ちゃんが、最後まで出てこないのには驚きました。
次の巻では出るだろう、次の巻では出るだろうと思いながら、最後まで
来てしまいました。
第二部は、どうなるのか、とても愉しみです。
でもわたしは、ある程度揃ってから一気に読みたい方なので、
連載は読まずに、コミックが出るのをじっと我慢して待っているつもりです。
【2008/06/10 22:14】 URL | ロングテーラー #- [ 編集]


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